人生100年時代の “なが~い”目線での子育てのヒント
要約すると
“教育方針をはっきりと示しつつ、個性を尊重して好奇心を育てる”
“50年後のわが子の幸せ”を想像してみよう
この記事を読んでくださっている方の中には、「今まさに子育て真っ最中!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
筆者自身も、1歳の長女を育てるパパとして日々の仕事・育児・家事に追われていますが、子育ての悩みは尽きませんよね。
そんな時、インターネットで子育てに関する情報を調べたりしますが、出てくる情報といえば、「子どもが賢くなる育て方」や「良い大学に入るための方法」など、子どもが成人するまでのおおよそ20年のことばかりが切り取られている気がします。
“人生100年時代”が叫ばれる中、「子どもにはずっと幸せに暮らしてほしい」という思いで、もっと長い視点を持ちたいなと考えました。
今回は、“なが~い”視点での子育てのヒントをレポートします。
50歳以上の方を対象に、“幸福度”と“親の教育方針”についてアンケートを行いました。幸福度は、「とても不幸せ」を0点、「とても幸せ」を10点として11段階で質問しています。
まずは、「現在の幸福度が親の教育方針の影響を受けているか」を確認しました。77%の方が、「影響していると思う」と答えており、現在の幸福度が親の教育方針の影響を受けていることが示唆されました。
【現在の幸福度と親の教育方針の影響】

では、具体的に幸福度が高い(8点~10点)方と低い方(0点~5点)でどのような教育方針の差があったのか詳しく見ていきたいと思います。
幸福度が高い方と低い方を比較すると、「子どもの個性を尊重する」「好奇心を育てる」「栄養や休養をたっぷり与える」の項目で、幸福度が高い方が低い方を上回りました。反対に、「親の教育方針がよくわからない」は幸福度が低い方が高い方を上回りました。
“教育方針をはっきりと示しつつ、個性を尊重して好奇心を育てる”ことが、長期的な視点で子どもの幸福度に寄与することが示唆されました。
【現在の幸福度と親の教育方針】

巣鴨にある100年生活者研究所のリアルラボ「100年生活カフェ かたりば」で、お子さんが現在50代である方にお話を伺ったところ、「とにかく、“ダメ!”と言わないようにして育てた。小さいころは絵本が好きでごはんも食べない時があった。思春期には勉強もせず漫画ばかり読んでいたが、それも止めなかった。結果的には、大人になって文章を書くことを趣味にして、今でもそれを楽しんで幸せに生きてくれているので、親としてはうれしく思う」という、好奇心を育んだ具体的な事例もあがりました。
今回の調査は50歳以上の方を対象としていますが、現代の子育て世代にとっても大いに示唆があったのではないでしょうか。今回のレポートでは長期的な視点で新しい発見がありましたが、「自分の教育方針が、将来の子どもの幸せにずっと影響してしまうんだ・・・」というプレッシャーを与えてしまうとしたら、それは筆者の意図ではありません。
日々の仕事・育児・家事に追われ、なかなか長期的な視点で子どもの成長を考える余裕が持てないと思いますが、ときどき“50年後のわが子の幸せ”を想像してみることで、少しだけ心にゆとりを持つことができるのではないでしょうか。
心にゆとりを持つきっかけをうまく見つけることが、ウェルビーイングな子育てをするうえで大切なことかもしれませんね。
【調査概要】
■調査名 :幸福度と親の教育方針に関する調査
■調査対象者:100年生活者研究所 LINE会員うち426名(50代以上を抽出)
■調査手法 :LINEによるアンケート調査
■調査期間 :2023年5月

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