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2024.03.15

人生100年時代、「悩み」の質と量はどう変わった?

誰しもが思う?悩みのない人生を送りたい!

「最近、悩んでいることがあって」「悩みについて相談させてほしい」「悩みのない人生を送りたい」など、生きていく上で、切っても切れない関係にあるのが、「悩み」だと思います。

そこで、今回は、100年時代における「悩み」と「ウェルビーイング」の関係性をリサーチしました。

どんなことで悩んでいますか?

まずは、「悩みの有無について」。

100年生活者研究所の今回のアンケート結果から、いま現在悩みがある人は75.1%、悩みがない人が24.9%、という結果になりました。4人に3人は、悩みを抱えている状況です。

では、悩みの有無と人生の幸福度には相関があるのでしょうか。

【悩みの有無と幸福度の関係】

それぞれの幸福度の平均値をみると、悩みがある人は約6.6点、悩みがない人は約7.8点という結果になりました。幸福度が高いといわれる8点に近い値です。やはり、悩みの有無と人生の幸福度には一定の相関関係があると言えます。

では、いま現在抱えている悩みの内容は、何でしょうか。

【現在抱えている悩みの内容】

上のグラフを見ると、家族(22.2%)、健康(21.9%)、お金(20.7%)が圧倒的で、次いで、仕事(業務内容:8.9%)となっています。

健康・家族・お金は、人が抱える3大悩みと言ってもいいようです。これらの悩みは、大きさや深さに個人差はあれ、ほとんどの方が、何らかの悩みを持っている可能性が高いものかもしれません。

悩みは、相談して解決するもの?

また、悩みを人に相談するかについては、64.9%の人が相談するという結果になりました。

一人では抱えられない場合、相談することも選択肢の一つです。

では、相談すること自体は幸福度と相関があるのでしょうか。

【相談している人と相談していない人の幸福度】

今回のアンケート結果では、「相談している人」の方が、幸福度が高いと言えそうです。特に、「相談している人」では、8点以上の高幸福度の人の割合が多くなっていることが分かります

では、そんな相談相手に何を期待しているのでしょうか。

【相談相手に期待していること】

「悩みの解決方法を、一緒に考えてくれること」が、最も多くなっていますが、「悩みを聞いてくれる」「感情に共感してくれる」を足し上げると、約50%強の方が、解決方法までは期待しておらず、聞いて、共感して、一緒に悩みを考えてくれさえすればいい、と考えていることが分かりました。

また、100歳まで生きたいと思うかでも比較しました。

【相談相手に求めること】

まず、「悩みを相談していない」は、「100歳まで生きたいと思わない人」よりも「100歳まで生きたい人」で、1割以上少なくなっています。

つまり、「100歳まで生きたい人」は、悩みがあっても、相談できる相手がいて、自分に共感してくれる環境にあるようです。逆に、100歳まで生きたいと思わない人は、そもそも相談しない人であることが分かります。裏を返せば、そのような相手がいれば、100歳まで生きたいと思える可能性があるのではないでしょうか。

人生100年時代の悩みの変化

では、100年人生において、「悩み」は、将来的に増えていくのか、減っていくのか、どのように感じているのでしょうか。

【人生100年時代になると悩みはどうなるか】

66.6%の人が人生100年時代は悩みが「増える」と感じています。一方、減ると感じる方は、4.6%にとどまっています。人生が長くなった分、それに伴って悩みが増えていく、と考える人が多いようです。

では、人生100年時代において、新たに増えていく悩みとは一体どんなものがあるのでしょうか。

一般的には、寿命が延びることに伴い、健康寿命も延びるかどうか。怪我や病気のまま長い歳月を過ごすことは、苦しく、悩みの多い人生と言えるかもしれません(必ずしも、健康でなければ幸せではない、という考え方だけではありませんが)。

また、生活資金や年金など、収入の面でも悩みが発生する可能性がありそうです。

【これまでの悩みとこれからの悩みの差が大きいものトップ5】

今回のアンケートでは、この10年間で悩んでいた内容と、人生100年時代において、増えると想定される悩みの項目の差分を見ました。この差分が大きいものは、これまでの10年よりも、人生100年時代に多くなりそうな悩みと言えそうです。

「健康」「お金」が上がっているのは分かりますが、「ご近所付き合い」もこの差分がプラスになっています。

もしかすると、これは、コロナ禍を経て、人間関係や他人との直接的な関わり方が希薄になったと言われている中、これからの100年時代においては、楽しく長生きしたいと思うために、他人との関わりや交流がより重要で、それがあるからこそ、長生きしたい、楽しい人生が送れると思う裏返しなのかもしれません。

人間関係は、悩みにも、生きがいにもなりえるのでは

人生100年時代において、健康・お金・家族の3大悩みは、切り離せない関係であることがわかりました。さらに今回、100年時代ならではの悩みの一つとして、人間関係(特にご近似付き合い)もあることがわかりました。人生が長くなる分、他人と関わる時間の長さや付き合いの内容も変わっていくのだと思います。そこに不安が発生することもありますが、実は、この人間関係が良好であれば、より豊かで楽しい、望んだ通りの100年の人生が迎えられるのかもしれません。

最近、70歳ぐらいの女性に聞いた話ですが、20年程前に突然音信不通になった昔の友人から連絡があったようで、今一度、友達付き合いをしてもらえないか、とのお願い電話だったようです。仕事の都合で、当時は友人関係を続けることができなかったのだけれど、20年たった今、まわりに友人がいない寂しさに気づき、泣きながら電話をしてきたようです。

100年時代において、人間関係は、頭を悩ませる一つかもしれませんが、同時に、悩みを解消してくれる楽しくて大切なものになるかもしれません。

人によっては大きくて深い悩みも、自分の考え方・捉え方一つで、その大きさや深さも変わり、また人との関わりの中で、更にその悩みの質と量が変化するかもしれません。

私自身、たくさんの悩みに囲まれて生活していると思いますが、100年時代においては、あまり悩みこまないようにしたいと考えています。

今回も、最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました!

【調査概要】

■調査名:人生100年時代の悩みに関する調査

■調査対象者:100年生活者研究所 LINE会員 20代~80代男女 850名

■調査手法:LINEによるアンケート調査

■調査機関:2024年2月

プロフィール
研究員
宮本 和彦
2004年大広入社。以来大阪一筋でしたが、2020年コロナ初期に東京に。笑うことが全ての原動力だと信じ、幸せな100年人生を探求していきます。