幸せをあなたと探す研究所。 100年生活者研究所幸せをあなたと探す研究所。 100年生活者研究所

文字サイズ
標準
メニュー
2023.10.27

日々の小さな幸せは、“味のなくならないチューインガム”!?

~噛めば噛むほど味わい深い“日々の小さな幸せ”から、幸福な人生を!~
“日々の小さな幸せ”という言葉から、なにを思い浮かべますか?

2019年に発生した新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、当たり前の「日常」に目を向けるようになった方も多いのではないでしょうか。

また、ひと昔前は「結婚」「出産」「出世」といったライフイベントが、誰もが目指すべき「幸せ」であり、日常の一区切りとなっていました。その一方で、人生のゴールが多様化した現在、かつてはあった日々の区切りがなくなり、日常が果てなく続いていく感覚をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、そんな「人生100年時代の日常」を彩るヒントを、“日々の小さな幸せ”という観点から探していきます。

要約すると

  • “日々の小さな幸せ”を感じる回数が多いほど、生活全体の幸福度が高い

  • “日々の小さな幸せ”を感じる回数が多いほど、“一度感じた日々の小さな幸せ”を思い出す頻度も高い

  • “日々の小さな幸せ”は日常のちょっとした振り返り習慣によって増やすことができる!

日々の小さな幸せと生活全体の幸福度 

“日々の小さな幸せ”を紐解くうえでまず、“日々の小さな幸せ”を感じる回数と、生活全体の幸福度の相関関係を見ていったところ、“日々の小さな幸せ”を感じる回数が多いほど、幸福度の点数が高いことがわかりました。 

【日々の小さな幸せを感じる頻度別の幸福度】 

“日々の小さな幸せ”が幸福度につながることはわかりましたが、そもそも“日々の小さな幸せ”とはどんなものなのでしょうか。“日々の小さな幸せ”の定義をお答えいただき、使用頻度が高かった単語をまとめてみました。全体としてポジティブな印象を受けるものの、「何気ない」「ささやかな」「気づく」「振り返る」という言葉も使用されていることから“日々の小さな幸せ”をはっきりと知覚することの難しさが見えてきます。 

※ユーザーローカルAIテキストマイニングによる分析(https://textmining.userlocal.jp/ ) 多く使われているキーワードを、視覚的に表示・把握できる機能。文字が大きいほど出現率が高い傾向があり、青は名詞、赤は動詞、緑は形容詞を示します。

日々の小さな幸せ=思い出しても幸せな“味のなくならないチューインガム”

では、“日々の小さな幸せ”を感じる回数が多い人は、“日々の小さな幸せ”をどのようにとらえているのでしょうか。今回は、“日々の小さな幸せ”を感じる回数を増やす一つの方法として、一度感じた幸せを「思い出す」ことに着目しました。 

そこで、「あなたは、“日々の小さな幸せ”を思い出して、もう一度幸せを感じることが、どのくらいありますか。」と質問させていただきました。すると、“小さな幸せ”を感じる回数が多い方ほど、“一度感じた日々の小さな幸せ”を思い出し、再び幸せを感じる頻度が多いことがわかりました。思い出せば出すほど幸せを感じられる、なんだか、“味のなくならないチューインガム”のようですね。 

【日々の小さな幸せを感じる頻度別のその幸せを思い出す頻度】

そんな“味のなくならないチューインガム”をより味わう方法として、“日々の小さな幸せ”を思い出すきっかけになり得る、『日常を振り返る習慣』に着目してみました。すると、思い出して幸せを感じることのある人はそうでない人に比べ、「友人や家族と話をする」「自分と向き合う時間を作る」という習慣を持っていることがわかりました。その反面、思い出すことで幸せを感じることがない人のうち約半数が、「日常を振り返る行為はしていない」と回答しています。

「友人や家族と話をする」「自分と向き合う時間を作る」という習慣は、日常に取り入れやすく 、すでに「そうした時間を持っている!」という方も多いのではないでしょうか。ご家族やご友人とのおしゃべりのテーマに“日々の小さな幸せ”を加えてみる、通勤時間や家事の合間に“日々の小さな幸せ”をぼんやり考えてみる…そんな心がけが“味のなくならないチューインガム”を味わう最初の一歩になるのかもしれませんね。

【思い出して幸せを感じる経験の有無と日常を振り返る行為の関連性】

“味のなくならないチューインガム”を発見するために

ここまでたくさんお話させていただきましたが、「結局のところ、“日々の小さな幸せ”とは!?」とお思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

“日々の小さな幸せ”をより具体的に、エピソードを交えてお答えいただいた結果をまとめました。

※ユーザーローカルAIテキストマイニングによる分析(https://textmining.userlocal.jp/

結果を見ていくと、“日々の小さな幸せ”は非常に幅広く、多様であることがわかります。

小さな幸せを考えはじめると、「こんなの、小さな幸せに入らない」「無理やり幸せを考えるなんて憂鬱」、そんな気持ちになってしまいがちですが、“日々の小さな幸せ”はそんな気持ちも、どーん、と受け入れてくれる懐の深い概念なのではないでしょうか。“日々の小さな幸せ”を信じ、発見するための『振り返り』習慣をはじめることで、あなたのポジティブな瞬間を創りだす、“味のなくならないチューインガム”を発見できるはずです。

今回、お答えいただいた“日々の小さな幸せ”を拝見し、一つ感じたことがあります。みなさんが書いてくださった“日々の小さな幸せ”を拝見することが、気づけば私の「幸せ」でした。ここまでお読みいただいた方に、私と同じ「幸せ」を感じていただきたく、ほんの一部とはなりますが“日々の小さな幸せ”エピソード」を、ご紹介させていただきます。

いかがだったでしょうか。

この記事があなたにとって、“日々の小さな幸せ”探しのヒントになっていましたら、幸いです。

当たり前の日常も、ちょっと頑張る瞬間も、大きな幸せに向かう道のりの途中でも…どんなときもあなたにポジティブな瞬間・気持ちを運んでくる、そんな“味のなくならないチューインガム”が見つかることを願っています。

最後は、もう一度、こちらの質問を。

あなたが“日々の小さな幸せ”を感じるのは、どんな瞬間ですか?

【調査概要】

■調査名 :「日々の小さな幸せ」についての調査

■調査対象者:100年生活者研究所 LINE会員 20代~80代男女 908名

■調査手法 :LINEによるアンケート調査

■調査期間 :2023年9月~10月

プロフィール
研究員
根上 小夏
2023年、大広に入社。
高校生の時、広告を見て励まされた経験から、“きもちのスイッチ”を発見できるマーケターを目指しています。忙しくも愛おしい日々に、心が前向きになる瞬間を創りだしていきたいです。