シナリオ作成のためのインプットを収集・分析・統合する過程で、設定したテーマに関連する幅広い情報に触れ、気づきの対話を重ねていきます。徹底した対話を経て、検討開始時よりも俯瞰的で世界を見渡すことができる鳥の目や、それと関連して、現状を追認することへの問題意識やこれまでの前提を疑う態度が芽生えます。
収集した情報や視点のピースを抽象化し、それを他者と共有しながら言語化していく作業です。今までにない新しい概念を作ることになるので、言葉を磨き続け、人に伝える努力をし続けることがとても重要です。個人やチームとしての未来への視座を上げること、それを組織やコミュニティでの共有知とすることにつながります。言葉選びの過程で無駄な要素を取り除き、シンプル化していく必要性に迫られ、「なぜ」や「そもそも」を問う力が養われます。いま、産業界で広がってきている存在意義、パーパスの議論とも深く関連します。
参照:経産省・環境省若手プロジェクト(2019)
参照:博報堂(2017)
チームで未来対話を重ねて練り上げた未来像やそれにひも付く具体的な構想や実装は、チーム内での解像度の高さから、誰か1人の天才のアイデアよりも腹落ちや自分(たち)ゴト化しやすい傾向にあり、コミュニティをひとつにする推進力を秘めています。「未来年表」を作成する企業同士の有志のコミュニティや、GXや生物多様性などの領域横断テーマにおける共助・共創関係の構築・強化の機運は広がりを見せています。
参照:GXリーグ(2023)