人生100年時代、体感年齢は、実年齢より若い?
要約すると
調査によると、体感年齢は、実年齢より若め。
その差は、歳をとるほど、広がる。
体感上の年齢の若さは、健康上でメリットがある。
人生100年時代の年齢感覚は、どうなっているのだろうか
実は、磯野波平さんの年齢は、54歳なんです。
アニメキャラクターの意外な年齢としてあげられることも多いので、知っている人もいるのではないでしょうか。令和の今の感覚でいうと、波平さんは、もっと上の年齢だと感じてしまいますよね。少なくとも60歳は絶対にこえていそうです。
こんなことからもわかるように、年齢感覚は、その時代によって変わります。
サザエさんの連載が始まった昭和20年代、人生はもっと短かった。敬老の日は、昭和22年に始まったといわれていますが、当時の対象者は55歳以上でした。当時は、定年も55歳が普通でした。
今や、人生は100年の時代が訪れつつあります。 生活者の年齢の感覚は、どのようになっているのでしょうか。
実年齢より、-3.7歳
100年生活者研究所では、全国の20~80代以上の男女2800名に対して、体感的な年齢を聞いてみました。
今の生活者の体感の年齢は、実年齢より3.7歳、若く感じていることがわかりました。
歳をとるほど、若く感じる
年代によって、体感年齢の感じ方は異なっています。
20代では実年齢よりも2.0歳上の年齢だと感じています。自立した大人としての認識が背景にあるのかもしれません。
これが30代になると-0.9歳と、体感年齢が実年齢より若くなります。これ以降、年齢が上がるほどに、実年齢と体感年齢の差は開いていって、80代以上になると、体感年齢は―7.4歳になります。ある意味では、歳をとるほどに、若く感じるようになっているといえるかもしれません。
若く感じると、健康になる
以前から、実年齢より若く感じることが、健康によい影響を与えるという研究は、いくつかあります。
2021年のドイツ老年医学センターの研究では、「主観的年齢の若さは、ストレスの影響の抑制、例えば全身性の炎症を抑えることなどによって、健康上のメリットを生み出す可能性がある」と語られています。(注1)
人生が長くなるにつれて、身体の加齢より、ココロの加齢のスピードが少し緩やかになっているようです。人類が初めて向き合う、100年人生に備えて、私たちの身体と脳が、年齢の認識を調整しているのかもしれません。
注1:https://psycnet.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2Fpag0000608
本文中の調査の概要
・調査手法 :インタネットモニター調査
・調査日時 :2022年10月
・調査対象者 :20代~80代以上の男女 2800名
・調査会社 :株式会社アスマーク
画像素材:PIXTA
一人ひとりが100年間の人生を、100%生ききることができる社会を目指し、
研究に取り組んでいます。
共著に『マーケティングリサーチ』。
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