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2023.07.28

いつの間にか「ハッピー」でなくなる誕生日。ハッピーのヒントは「自身へのごほうび」にあった!

年齢を感じる時・・。それは体力の低下や物忘れなどふとしたシーンで感じることもありますが、特定のタイミングで感じることもあるようです。それは「誕生日」。ハッピーであったはずの誕生日は、いつからアンハッピーになってしまうのでしょうか。今回は、アンケートを基に誕生日に関しての印象と、どの年代でもどんな環境でもハッピーであるためのヒントもご紹介したいと思います。

要約すると

  • 2人以上世帯でも誕生日が「複雑」な人は多い

  • どうやら誕生日の固定観念がその「複雑」を生み出している

  • 誕生日を楽しみにしている人は、自身へのごほうび上手・称え上手

アンハッピーな方は単身世帯かと思いきや・・そうでもない

まずは、全体的に誕生日が楽しみかどうか調べてみました。

【誕生日を楽しみにしているか(全体)】

「複雑」という回答が最も多くなっています。

世帯環境も影響すると思い、単身と2人以上世帯における違いも見てみました。

【誕生日を楽しみにしているか(世帯構成別)】

確かに2人以上世帯の方が「楽しみにしている」比率は高いものの、同時に「複雑」という回答の方が多く、想定していたほど単身世帯との差は見られませんでした。このような特徴は何故生まれるのでしょうか。

「複雑」「楽しみにしていない」理由はどの年代も共通

そこで、年代によってアンハッピーの比率が高まるのかと思い、特徴を調べてみました。

【誕生日を楽しみにしているか(年代別)】

やはり年代の影響はあるようですが、30代で「楽しみにしている」が50%を割りますね。

ずいぶん若いタイミングと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

では、年代によって「複雑」「楽しみにしていない」理由が変わるのかも見てみましょう。

【誕生日を楽しみにしていない理由】

年代による違いはあまり見えませんでした。コレも意外ですね。

ここでは、その理由について、自由回答でも聞いています。その理由のコメントを見ていくと、特に「誕生日は特別な日ではない」の真意も窺えます。

「自分自身のメモリアルな日なのでお祝いされることは嬉しい。けど年を取ることも歓迎できない」(70代)

「母が寝たきりになり、年を取ることが悲しい」(30代)

「定年退職後の生活を豊かにするために準備しなければと思いつつ、何もやっていない。誕生日がくるとその宿題に手をつけていないという焦りを感じる」(60代)

「独立した子供からプレゼントをもらうが、自分のことに使って欲しいと気を遣う」(50代)

つまり、年を取ったことの実感(肉体的)、年を取ることの悲観(心理的)、 今後の生活設計への不安(心理的)、子供に負担をかけたくない(気遣い)、 様々な心情が交錯することが、誕生日のアンハッピーを生んでいるようです。

“誕生日はこうあるべき”の固定観念

「複雑」「楽しみにしていない」方も、以前は楽しみがあったはず。

その頃はやっていたけど、今やっていないことも聞いてみました。

【誕生日にやらなくなったこと】

この結果を見ると、「誕生日とは家族でお祝いするものだ」という固定観念が根強いのかもしれません。年を重ねれば家庭環境の変化はつきものですが、誕生日のイメージは変化しない。コレがアンハッピーを生んでいる可能性があります。

「楽しみにしている人」がやっていること

では、家族が身近にいないと誕生日は楽しめないのか?そうとも違うようです。

【誕生日に”自身のために”やっていること】

この「ご自身のためにやっていること」のグラフを見ると、 「楽しみにしている人」は自ら動き、 ご自身へのプレゼントにも積極的なようです。

「その他」の回答の内容について聞くと、以下のようなコメントがありました。

「花を自分のために買う、映画を見に行く」(70代)

「新しいことを始める」(70代)

「普段食べないスイーツを食べる」(60代)

「美味しいワインを買う」(男性)

「なぜかギャンブルが強くなるので、賭け事をする」(50代)

これを見ると、家族が集まらなくとも、大掛かりでなくても、 ささやかなイベントを自ら作り、特別にさせていく傾向が見受けられます。

逆に「複雑」「楽しみにしていない」方は「特別なことはしない」という回答が多く、前述の通り誕生日のイメージが先行したり、様々な心情が交錯したりすることで ポジティブな動きに繋がりづらい状態なのかもしれません。

人生100年時代の「誕生日」とは

あるヘルスデータサイエンスの権威との対話の中で学んだことがあります。

今の日本では、誕生日自体に多様性が無く、社会的に「誕生日はこうでなくてはならない」というイメージが強い。それが押しつけがましく、鬱陶しいと感じられる時もある。

誕生日は他者に祝われる日というだけでなく、むしろ自分を大事にする素晴らしさを感じる日であるべきだということです。

その方が仰るには、年齢とともに磨かれる「結晶性知能」というものがあるそうです。

例えば、若年層が対応に手間暇かかることを、これまでの経験であっさりとしなやかに 解決する力・理解力・洞察力・コミュニケーション能力等です。

肉体的な衰えや家庭環境の変化等、不可逆なことは勿論ありますが、 年齢と共に積み上げてきたものも確実にあります。

誕生日は、そんなご自身の素晴らしさを、まず自分自身で称える。

そして、その証としてささやかでも良いので何かしらのプレゼントを ご自身に贈ってみるのはいかがでしょうか。

【調査概要】

■調査名 :人生100年時代の誕生日に関する調査

■調査対象者 :100年生活者研究所 LINE会員(20~80代男女) 904名

■調査手法 :LINEによるアンケート調査

■調査期間 :2023年7月

プロフィール
研究員
中間 陽介
2005年大広入社。祖父母の優しさと包容力と、少し寂しげな姿を今も思い浮かべます。年齢を重ねることを喜び、今が一番楽しいと思える社会にすべく、あらゆる可能性を探していきます。