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2024.03.08

あなたの「美味しい!」はどんな味?

100年人生で移り変わる、美味しさを増幅させるスパイスとは

突然ですが、皆さんは、好きな食べ物はなんですか?

私は、ラーメンや唐揚げなどしょっぱくて脂っこいものが大好きです。 先日結婚式を終えるまで、しばらくラーメンを我慢していたのですが、 ついに式が終わり久々に口にした時に、衝撃的な美味しさに感動しました。

ひょっとしたらここに、100年人生をもっと幸せに生きるヒントがあるのではないかと 感じたので、研究テーマにしてみることにしました。

まず前提として、美味しいものが好きな人(美味しいものがとても好きであるor好きであると回答した人)は、それほど好きでない人(美味しいものがやや好きである/あまり好きではない/好きではない/まったく好きではないと回答した人に比べ、100年生きたいと思う気持ちが強いことが明らかになりました。

【「美味しいものが好きか」と「100年生きたいか」の関係】

「美味しい」は最も手軽なハッピーメイカー!

美味しいものが好きな人の方が、なぜ100年生きたい気持ちが強い傾向が出たのか、そのヒントになりそうなデータが、次のグラフです。

【自分の機嫌を取る行動】

美味しいものを食べる・飲むことは、特に多くの人が自分の機嫌を取るために実践していて、手軽に幸せになれるとても素敵な行動であることがわかりました。

味覚だけじゃない、「美味しい」の定義

そんな、自分をちょっと幸せにしてくれる美味しいという感情は、どのようにして生まれるものなのでしょうか。「美味しい」という言葉の捉え方について、A「味覚の感じ方」とB「味覚+その人自身の経験」のどちらが自分の考えに近いか聞いてみることにしました。

【「美味しい」の定義】

すると、約60%の人は、「美味しさ」を味覚としてだけでなく、人生経験も踏まえて感じられるものだと捉えていることがわかりました。

実際、原材料の産地を聞いてから食べるとなんだかもっと美味しく感じたり、昔懐かしい料理やお菓子を食べて、他にない格別の美味しさを味わったことは、皆さんの経験でも、沢山あるのではないでしょうか。

年齢と共に移りゆく「美味しい」のスパイス

次は実際に、どんなものを美味しいと感じるかについて、年齢による違いがあるかを確認しました。具体的には、①10-40代と②50-80代の2つの層に分けてスコアを確認し、②と①の差分を順に並べてみたところ、面白い結果が明らかになりました 。

【どんな食事が美味しいか】

まず、最も①と②で差分がなかったのが、真ん中「味わいや食感が好きなもの」でした。

年齢にかかわらず、もっとも高いスコアとなっています。

その上で、①若いうちは初めて食べるものや特別な場面、イベントで食べるものなどがより美味しさに寄与しているものの、年齢を重ねて②50代以降になると、より人とのつながりを感じられるものや食事の時間・空間の魅力、季節を感じられるものの影響が大きくなっていくことが明らかにありました。

これは、若年のうちの美味しさのスパイスが「未体験の刺激」であることに対し、高齢になるにつれ、「これまでの経験や人との繋がり」への安心が美味しく感じる秘訣に変わっていくのだと言い換えられるかもしれません。

最後に、実際のお声として、特に「美味しい」と感じたものについての回答をご紹介します。

(どれもとっても美味しそうです!)

【Q. あなたがこれまでの人生で、特に「美味しい」と感じたものを教えてください。 】

  • 鴨の燻製。クリスマスになるとお隣さんがお裾分けして下さり、毎年ケーキより楽しみでした。(60代女性)

  • 母の唐揚げ。スパイシーで母にしか再現できない味だから。母の気持ちを感じる。(20代男性)

  • お雑煮。お正月休みにお節とともにお正月番組をテレビでゆっくり見ながら、出汁の味をしみじみ感じられ、温かい家にくつろげる幸せ(60代女性)

  • 小さい時に飲んだ初めてのミックスジュース。見たこともないし、バナナも食べたことがなかったのであの甘さは忘れられない!(70代男性)

  • 子供たちが誕生日プレゼントとして買ってくれたチーズケーキ。味も美味しかったけれども、少ないお小遣いを出し合って買ってくれたので、より一層美味しく感じた。(40代女性)

100年人生をもっと「美味しく」味わおう!

来たる100年人生、年齢とともに移り変わる“美味しさのスパイス”を使って、自分や周りの人の食事が、もっと美味しくなるようデザインしてみてはいかがでしょうか。例えば、1人暮らしの親がいたら、月に1度は旬の食材と共に一緒に食卓を囲んでみたり、学生同士の旅行では、初体験として地元でしか食べられない特産品を食べてみたり。

皆様が今の自分に合った「美味しい」を叶え、少しでも幸せに過ごせることを願っています。

【調査概要】

■調査目的:「美味しい」と幸福との関係についての調査

■調査対象者:100年生活研究所 LINE会員 20~80代の男女 978名

■調査手法:LINEによるアンケート調査

■調査期間:2024年2月

プロフィール
研究員
龍野 美桜
2020年大広入社。マーケターとして世の中を見つめる仕事を通して、
せっかくなら世の中そのものを明るくしたい!と思い、研究活動に参画。
今を生きる皆さまの生のお声を大切に、
日常を小さな幸せで満たすためのヒントを探し続けます!