幸せをあなたと探す研究所。 100年生活者研究所幸せをあなたと探す研究所。 100年生活者研究所

文字サイズ
標準
メニュー
2024.11.07

なぜ、100年生活者研究所は、タカラトミーと 「100年人生ゲーム」を共同開発したのか

100年生活者研究所とタカラトミーは、人生ゲームの新商品、「100年人生ゲーム」を共同開発いたしました。2024年11月23日(土)よりタカラトミーの公式ショッピングサイト「タカラトミーモール」*などで発売いたします。 今回は、このゲームの特徴と、開発意図をお伝えします。

* takaratomymall.jp/

** 遊ぶ際に2023年4月発売の「人生ゲーム」が必要です。商品単体では遊べません。

なぜ、100年人生ゲームを開発したのか?

100年生活者研究所では、3月20日の「国際幸福デー」に合わせ、人生100年時代に関する意識調査を実施しています。今年3月にも日本国内20~80代の男女2800名、海外(アメリカ・中国・フィンランド・韓国・ドイツ)20~70代の男女2840名を対象とした調査を発表しました。*

ここでの発見が、このゲームの開発につながっています。

* (参考)調査記事 :https://hakuhodo-rdc.com/100years_lab/posts/100report_240318/

開発背景① 「平均寿命まで生きたい」と思っていない日本人

各国に「生きたい年齢=希望寿命」についての調査結果を、世界保健機関が公表している平均寿命と比較しました。

その結果、他の国では平均寿命と比べて希望寿命の方が5~15年長かったのに対し、日本のみ希望寿命が3.2歳下回りました。

日本では平均寿命まで「長生きしたい」と考えている人が少なく、長生きについて後ろ向きであることが浮き彫りとなりました。

日本を含む6か国の平均寿命と希望寿命の比較

開発背景② 人生のポジ・ネガの両面を見る海外。ネガだけを見る日本。

「自分の100歳までの人生についてどう考えているか」という質問で、「そう思う・ややそう思う」と答えた項目の割合を国別に比較すると、「不安が増える」「大変そうに見える」といったネガティブな項目について海外と顕著な差は見られませんでした。

しかし、「チャンスが増える」(同28.7%)「幸せそうに見える」(同21.1%)などポジティブな項目は海外と比べて明らかに低く、日本人は長寿のネガティブ面だけを見て、ポジティブな面を見る人が少ないことがわかりました。

日本を含む6か国の100年人生の捉え方比較

但し、日本でも「100歳まで生きたい」と考える人に限っては、「チャンスが増える」(59.4%)、「幸せそうに見える」(43.5%)など、日本全体では低かった、長生きに関するポジティブな項目が高い傾向にありました。

日本の「100歳まで生きたい」層の100年人生の捉え方

開発背景③ 人生100年時代を前向きに生きるには、どうすればいいのだろうか?

「長寿」という人類の夢が実現しようとしている今、日本では「長寿」に対して「大変そう、不安だ」と感じる人は多いようです。ニュースや自身の周りで、加齢に伴ういろんな問題を見聞きするからでしょうか。

しかし実際には、歳をとり長く生きるにつれて幸福度は高まります。これは「エイジングのパラドックス」と言われ、世界共通でみられる傾向です。

ひょっとすると、私たちは、歳をとることに対して、必要以上に不安を感じているのかもしれません。

これから人生100年時代を前向きに生きるには、(加齢に伴う不安と問題に対処していくのと同時に)人生が長くなることで生まれる「体験のチャンス」に目を向けて、100年人生のポジティブな面を見るようにすることが大事ではないでしょうか。

私たちはこのように考え、「100年人生ゲーム」を開発いたしました。

ゲームを通じて、人生の幸福なできごとに注目する力(幸福注目力)を高めることが狙いです。

100年人生ゲームはどのようなゲームなのか?

「お金を集めて億万長者を目指す」通常の「人生ゲーム」と異なり、100年人生ゲームでは「幸福を点数化したウェルビーイングポイント(=ウェルポ)を集めて、幸福長者」を目指すゲームです。

ゴールの「100歳の誕生日」までに、“幸せな100年人生”を疑似体験して、ウェルビーイングポイントを一番集めたプレイヤーが勝ちとなります。

それぞれのマスやカードのエピソードは、当研究所の活動拠点である「100年生活カフェ かたりば」来店者へのヒアリングやアンケートなどで、1万人以上から集めた実際の体験談に基づいて作成しました。

体験談を知ることで「自分の人生に起きるかもしれない幸せな体験」を考え、100年人生のポジティブな面に注目してもらいたいと考えています。

「幸せの記憶カード」には、それぞれの年代で起こる幸せのエピソードが記載されていて、その内容に応じたウェルポを獲得することができます。

20歳の誕生日マスでは、プレイヤーの価値観を表すカード(全14種)を選択します。

価値観カードには、健康を重視する「健康マニア」や仕事の成功を第一に考える「情熱ワーカー」など、14種類があります。プレイヤーは、その価値観によって、同じマスに止まっても獲得できるポイントが異なることがあります。

ゲームには、下の図のマスのように価値観のアイコンが書かれているマスがあります。

プレイヤーの価値観カードに書かれている価値観のアイコンとマスに書かれているアイコンが一致した場合、カードに書かれた倍数に応じてウェルポのやり取りを行います。

たとえば、上の図のケースではアイコンが一致しているので、カードの記載「失うマス×2倍」に従い、「3,000ウェルポ失う×2」で6,000ウェルポ失います。

私たち100年生活者研究所は「超高齢化社会の日本を、前向きな100年生活者の社会にしたい」と考えています。

機会があれば、一度お手に取って遊んでいただけると嬉しく思います。

【100年生活者調査~2024年定点調査~】

■調査目的 :100年生活の実態について把握する

■調査手法 :インタネットモニター調査

■対象地域 :日本 全国

■調査日時 :2024年3月

■調査対象者 :20代~70代の男女 2800名

■調査会社 :株式会社アスマーク

【100年生活者調査 ~2024年定点調査 国際比較~】

■調査目的 :他国と比較して、日本の100年生活の実態について把握する

■調査手法 :インタネットモニター調査

■対象地域 :アメリカ、フィンランド、中国、韓国、ドイツ

■調査日時 :2024年3月

■調査対象者 :20代~70代の男女

・アメリカ、フィンランド、ドイツ:各600名

・中国:500名

・韓国:540名

■調査会社 :株式会社クロスマーケティング

プロフィール
副所長
田中 卓
95年博報堂入社。23年から100年生活者研究所副所長。
一人ひとりが100年間の人生を、100%生ききることができる社会を目指し、
研究に取り組んでいます。
共著に『マーケティングリサーチ』。