生活者発想技術研究所は、マーケティング・テクノロジー・センター(株式会社博報堂DYホールディングス)およびミライデザイン事業ユニット(株式会社博報堂)と共同で、「人と人をつなぐ観光地ブランディングは、地域経済にどれくらいプラスの影響をもたらすのか?」を定量的に明らかにする研究を実施いたしました。
近年、地域の遊休不動産を活用し、官民が連携して個性豊かな観光地づくりを進めるとともに、観光客と地域住民との交流を促進する観光施策(観光地ブランディング)が全国各地で広がりを見せています。博報堂のミライデザイン事業ユニットは、こうした取り組みを「ブランド創出型スモールコンセッション」と位置付けて推進しています。
本研究では、こうした取り組みを後押しし、地方創生に貢献することを目指して、上述のような観光地ブランディングがどれほどの経済的インパクトをもたらしうるのかを、① 公的統計データ、② 生活者調査データの両面から複合的に検証しました。
分析の結果、このような観光地ブランディングにより、観光消費額が最大18.4%伸長する可能性があることや、人と人のつながりが生まれることで観光代の支出が最大2.1倍になりうることなどが明らかとなり、「つながり」が地域経済を動かす重要な原動力であることが見えてきました。
研究成果の概要については、日本マーケティング学会「マーケティングカンファレンス2025」のポスターセッションにてご報告させていただきました、以下のポスター(※報告時から「結果」の赤字要約文を加筆)をご覧いただけますと幸いです。
▶ 細部のご確認およびダウンロードはこちら: ポスター PDF
JMAC2025 SRDI poster
出典: 国土交通省総合政策局・株式会社博報堂. (2025). 民間提案型官民連携モデリング事業(スモールコンセッション 調査テーマ⑨–A)ブランド創出型スモールコンセッション 報告書.
参考: 杉本 奈穂, 木田 裕一朗, 桟敷 北斗, 大家 雅広, 児玉 誠周. (2025). ポスターセッション報告要旨:人と人をつなぐ観光地ブランディングは、地域経済をどれだけ動かすか?——公的統計データと8,250名の生活者調査を用いた定量分析. 日本マーケティング学会 マーケティングカンファレンスプロシーディングス vol. 14.
クライアント企業の生活者発想を推進するための研究開発を目的に設立された専門組織です。「未来生活者発想」をコンセプトに、「生活者発想経営」「フォーカス型生活者洞察」「生活者心理・行動」「ウェルビーイング社会の共創」「生活者発想に基づく創造性」等に関する、研究・開発・教育・発信を行っています。
